目標回転数と回転差で、回転合わせを練習。
OBD ギアシフト インジケーターは、ヒールアンドトゥとブリッピングの回転合わせを数値で練習できるiPhoneアプリです。 OBD2から取得した車速と回転数を使い、1段下のギヤの目標回転数と現在の回転差を表示。吹かし不足・吹かしすぎを確認でき、前後Gバーでシフトショックも把握できます。 実車での利用には、別売のiOS対応BLE ELM327互換OBD2アダプターが必要です。
MT車の練習を支援するアプリです。アダプターなしでもデモモードで表示と設定を確認できます。
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アナログ縦画面
レーシング横画面
7セグ縦画面
ヒールアンドトゥ(ヒール&トゥ、heel and toe)とは、ブレーキを踏んだまま、同じ右足でアクセルも吹かしてシフトダウンする操作のことです。 つま先(トゥ)でブレーキを踏み続けながら、かかと(ヒール)側でアクセルペダルを一瞬叩き、その間に左足でクラッチを切ってシフトダウンします。 「ヒールアンドトゥー」「ヒール・アンド・トウ」「ヒールトゥ」など表記はさまざまですが、すべて同じ操作を指します。
名前は「かかととつま先」ですが、実際の車では足を横に倒して右足の左側でブレーキ、右側でアクセルを扱う形が一般的です。ペダル配置によって使う場所は変わるので、名前どおりの足の形にこだわる必要はありません。
ブリッピング(blipping / rev matching)とは、クラッチを切っている間にアクセルを一瞬吹かして、エンジン回転数を次のギヤに合わせる動作そのものを指します。「空吹かし」と呼ばれることもあります。
ヒール&トゥとブリッピングは同じ意味で使われることも多いですが、正確には次のように分けられます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ブリッピング 回転合わせ | クラッチを切っている間にアクセルを吹かし、エンジン回転をシフトダウン先のギヤに合わせる動作。ブレーキを踏んでいなくても成立します。 |
| ヒール&トゥ ペダル操作の技法 | ブレーキを踏み続けたまま、同じ右足でブリッピングを行う技法。ブレーキングとブリッピングを同時に成立させるための足さばきのことです。 |
つまり ブリッピングは「何をするか」、ヒール&トゥは「どうやってやるか」です。街乗りの緩やかな減速ならブレーキを使わないブリッピングだけでも十分ですし、練習の順番としてもブリッピングが先になります。
シフトダウンでは、入れたギヤが要求する回転数のほうが、今のエンジン回転数より高いという状態が必ず起きます。回転を合わせずにクラッチをつなぐと、その差はどこかで吸収されなければなりません。
グリップに余裕がある状況では、多少の回転差はタイヤが吸収してしまうので気づきにくいものです。ところが路面が濡れているときや、ブレーキングで既にタイヤを使い切っているときは、そのわずかな駆動側の衝撃がグリップの限界を超えるきっかけになります。丁寧さの効果は、余裕がないときほど大きく出ます。
「どのくらい吹かせばいいのか」は感覚の問題に見えますが、実際には計算で出る決まった数字です。クラッチがつながっている限り、エンジン回転数と車速はギヤ比で結ばれているからです。
| エンジン回転数 [rpm] | = 車速 [km/h] × そのギヤの rpm/km/h |
| rpm/km/h | = ギヤ比 × 最終減速比 × 1000 ÷ ( タイヤ周長[m] × 60 ) |
ギヤ比・最終減速比・タイヤ周長は車ごとに決まった値なので、rpm/km/h は各ギヤについて1つの定数になります。あとは車速を掛けるだけです。
| 状態 | rpm/km/h | 80km/h での回転数 |
|---|---|---|
| 4速で走行中(今の回転数) | 35 | 2,800 rpm |
| 3速に入れたときに必要な回転数 | 47 | 3,760 rpm |
| 吹かして上げるべき差 | — | 約 960 rpm |
※ 数値は説明用の例です。実際の値は車種によって変わります。
いきなり全部を同時にやろうとすると必ず破綻します。分解すると次の5つです。
ここまでの内容を、走りながら見られる形にしたのが OBD ギアシフト インジケーター です。iPhoneをBLE対応のELM327互換アダプターにつなぎ、現在のギヤ段・回転数・前後G、そしてシフトダウン時の目標回転数を表示します。
SYNSETECH LTD / 日本語・英語対応 / Android版は近日公開予定
1段下のギヤに必要な回転数を、現在の車速から計算して表示します。ブレーキング中も常に再計算されるので、「今の速度」に対する目標が出ます。マーカーが中央に来て緑になったらつなぐタイミングです。許容幅は練習用に狭く、街乗り用に広く設定できます。
画面中央に現在のギヤを大きく表示します。書体はアナログ/レーシング/7セグ/14セグの4種類、色は6色から選べます。縦画面・横画面の両方に対応しています。
加速と減速の強さをリアルタイムに表示します。回転が合っていないシフトダウンは、クラッチをつないだ瞬間の急なGスパイクとして現れます。シフトショックは一瞬で消えるため、ピーク値を短時間そのまま残すようにしてあります。シフトを終えてから見ても、さっきの衝撃の大きさが残っています。うまく決まった回はスパイクが出ません。
12灯のLEDが回転数に応じて点灯し、シフトアップのタイミングを色で知らせます。点灯を開始する回転数と全点灯する回転数は設定できます。
走行しながら各段の「回転数÷車速」を自動学習する方法と、ギヤ比・最終減速比・タイヤ周長を直接入力する方法があります。学習した値はあとから手で調整することもできます。
アダプターも実車もない状態で画面を動かせます。買う前に表示と設定をひととおり確認できます。





本アプリは、OBD-II経由で取得した回転数・車速・アクセル開度から、いま何速に入っているかを推定して表示します。車両やギヤボックスからギヤ段そのものを読み取っているわけではありません。推定である以上、クラッチ操作中やセンサーの状態によっては、実際と異なる段やニュートラルを表示することがあります。表示はあくまで参考情報であり、車両本来のメーター類や周囲の安全確認に優先するものではありません。
ヒール&トゥは「ブレーキング」「ブリッピング」「クラッチミート」の3つを同時に処理する操作です。いきなり全部やらず、1つずつ体に入れるのが結局いちばん近道です。
ブレーキを使わず、平坦路でシフトダウンだけを行います。クラッチを切る→吹かす→つなぐ。ショックなくつながる感触を掴みます。
目標回転数を表示させ、どこまで吹かせば合うのかを見ながら動かします。数字と足の動きが結びつく段階です。
弱いブレーキを踏んだ状態でブリッピングを足します。ここで初めて「吹かしてもブレーキ踏力が変わらないか」が課題になります。
本来の減速Gの中で行います。荷重が乗った状態では足の自由度が下がるので、ペダル位置と座席位置の見直しが必要になることもあります。
目標回転数は計算で出せますが、走行中に暗算するのは現実的ではありません。ブレーキング中は車速も今の回転数も刻々と落ち続けるので、 踏み替えの一瞬で計算し直すことはできません。だから画面に出す価値があります。
感覚だけで練習すると、「うまくいかなかった」という結果はわかっても、原因が吹かし不足なのか吹かしすぎなのか、タイミングのずれなのかが切り分けられません。 目標回転数が表示されていれば、その場でどれだったのかが判別できます。判別できれば次の1回で直せます。
ある程度できるようになったら表示を消して答え合わせに使うのが効果的です。感覚だけでやってみて、あとから合っていたかを確認する。この往復が、感覚の解像度を上げてくれます。
目標回転数が合わせるための道具だとすれば、前後Gバーは答え合わせのための道具です。 回転が合っていないシフトダウンは、クラッチをつないだ瞬間に前後Gの急なスパイクとして必ず現れます。 吹かし不足なら減速方向へ、吹かしすぎなら加速方向へ振れるので、どちらに失敗したのかまで一目でわかります。
シフトショックは一瞬なので、リアルタイムのバーだけでは目で追えません。そのため本アプリのGバーは ピーク値を短時間そのまま残します。シフトを終えてから画面を見ても、さっきの衝撃がどれくらいだったかが残っています。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| つないだ瞬間に「ガクン」と減速方向のショック | 吹かしが足りない、または吹かしてからつなぐまでが遅く、回転が落ちきっている。目標回転数に対して不足しています。 |
| つないだ瞬間に前に押し出される | 吹かしすぎ。エンジン回転が目標より高い状態でつながり、駆動側に力が出ています。 |
| ブレーキが緩む・カックンとなる | 吹かす動作に釣られて右足全体が動いています。いちばん多い失敗で、ヒール&トゥ最大の難所です。踏力一定を最優先にしてください。 |
| アクセルがうまく届かない | ペダル配置の問題。社外のペダルカバーやフットレストの追加で改善することがあります。座席位置が遠すぎる場合も足首が使えません。 |
| 低速域だけ決まらない | 低い車速ではギヤ間の回転差が小さく、許容幅も狭くなります。相対的にシビアなので、まずは中速域から練習してください。 |
| 毎回うまくいったり失敗したりする | 目標を「固定の回転数」や「固定の上げ幅(+◯◯rpm)」で覚えている可能性があります。どちらも車速で変わります。同じ吹かし方をしても、速度が違えば結果は変わります。 |
OBD2(On-Board Diagnostics 2)は、車両の自己診断機能に外部からアクセスするための共通規格です。日本国内の乗用車では、おおむね2008年以降の車に装備されています。運転席の足元付近に台形のコネクタがあり、そこから車両の状態を読み出せます。
ELM327は、そのOBD2の通信をBluetoothやWi-Fi経由でスマートフォン・PCから扱えるようにする変換チップの名前です。現在市販されている安価なアダプターの多くは、このELM327のコマンド体系に対応した互換品です。
| データ | 用途 |
|---|---|
| エンジン回転数(PID 0C) | 回転数LED、目標回転数との比較 |
| 車速(PID 0D) | ギヤ段の推定、目標回転数の計算 |
| アクセル開度 | クラッチを切っている状態などの判別の補助 |
ここがいちばんつまずきやすいところです。ELM327互換アダプターは接続方式が3種類あり、iPhoneで使えるのはそのうち1種類だけです。
| 接続方式 | iPhone | Android |
|---|---|---|
| Bluetooth Low Energy(BLE) | 使える | 使える |
| クラシックBluetooth(SPP) | 使えない | 使える |
| Wi-Fi | 使えない | 使える |
Androidで定番として売れている安価なSPP品を、そのままiPhoneに使おうとして繋がらない——というのがいちばん多い失敗です。 iOSはセキュリティ上の理由でSPPプロファイルを一般アプリに開放しておらず、Wi-Fi接続型も同様にアプリからは扱えません。 商品ページに「iOS対応」または「BLE対応」の明記があるものを選んでください。
ELM327互換アダプターは、見た目も価格も似ていながら応答速度に大きな差があります。OBD2通信そのものにも原理的に最低50ミリ秒程度の遅延がありますが、それ以上の遅れはアダプター側の性能で決まります。 応答が遅い製品では、表示の遅れも誤差も目に見えて増えます。回転を合わせるという用途では、遅れはそのまま使いづらさになります。ギヤ表示が遅い・安定しないと感じたら、設定を疑う前にまずアダプターの見直しをおすすめします。
本アプリの利用には別売のアダプターが必要です。購入前に次の点をご確認ください。
アダプターは当社とは無関係の第三者製品です。その品質・不具合・車両との相性について当社は責任を負いません。購入元またはメーカーへお問い合わせください。
OBD ギアシフト インジケーターは、ヒールアンドトゥとブリッピングの練習を支援するSYNSETECHのiPhoneアプリです。OBD2から取得した車速・回転数とギヤ比の設定を使い、1段下のギヤの目標回転数と回転差を表示します。前後Gバーではシフトショックも確認できます。実車での利用には別売のiOS対応BLE ELM327互換OBD2アダプターが必要です。
OBD ギアシフト インジケーターのデモモードでは、車やアダプターがなくても表示と設定を確認できます。ただし、デモモードは実車のペダル操作を練習・採点する機能ではありません。実際の回転合わせの確認には対応アダプターと車両が必要です。
必須ではありませんが、意味はあります。回転を合わせたシフトダウンは駆動系のショックがなく、同乗者の乗り心地が良くなり、クラッチの摩耗も減ります。街乗りではブレーキを使わないブリッピングだけでも十分に効果があります。
ブリッピングは「クラッチを切っている間にアクセルを吹かして回転を合わせる動作」そのものを指します。ヒール&トゥは「ブレーキを踏み続けたまま、同じ右足でブリッピングを行う技法」です。ブリッピングは何をするか、ヒール&トゥはどうやるか、という関係です。
固定の数値はありません。必要な回転数は「車速 × そのギヤの rpm/km/h」で決まるため、車速が変われば目標も変わります。同じ3速でも80km/hと60km/hでは1,000rpm近く違うことがあり、ブレーキング中は常に動き続けます。
ほとんどの車では読めません。OBD2の標準PIDにギヤ位置は含まれていないためです。そのため「エンジン回転数 ÷ 車速」がギヤごとに一定になる性質を使って推定します。走行中に各段の値を学習しておけば、現在のギヤを逆算できます。
iPhoneで使う場合は「iOS対応」と明記された Bluetooth Low Energy(BLE)対応品であることが必須です。クラシックBluetooth(SPP)とWi-Fi接続のものはiOSでは使えません。加えて、応答速度に製品差が大きいため、遅延の少ない製品を選んでください。応答が遅いアダプターでは表示の遅れも誤差も増えます。
ギヤ段や回転数の表示は動作しますが、ブリッピングインジケーターは自分でクラッチとアクセルを操作するMT車を前提とした機能です。AT車では活かせる場面が限られます。
いいえ。車両データの読み取りには別売のBLE対応ELM327互換アダプターが必要です。ただしデモモードを使えば、アダプターがなくても画面と設定をひととおり確認できます。